4−5月の上旬にかけての各日曜日に、長崎市内の風頭山(かざがしらやま)・稲佐山・金比良山・唐八景などで行なわれるハタ揚げ。ハタとは長崎の方言で『凧』のことです。
長崎ではこの旗揚げが、昔から市民の間で楽しまれてきました。期間中は、日曜ごとに赤・青・白のコントラストが色鮮やかな菱形のハタが会場イッパイに舞いあがります。ハタ揚げは、出島でオランダ人の使用人として働いていたインドネシア人によって伝えられたと言われています。 長崎のハタ揚げの見所は、ハタ同士が相手の糸を切り会うハタ合戦。大空を所狭しと無数のハタが飛び交い、技術を競いながら、ビードロを糊で固めた凧糸が、急降下の末、相手のハタを切り落とす姿は見ごたえ十分です。その昔、この地では、ハタ揚げに熱中するあまり、喧嘩が絶えなかったことから、「ハタ揚げ禁止令」も出ていたという記録があります。家族連れでハイキングを兼ねて見に行くと楽しい行事です。